癒やしの小児科医と秘密の契約

「照れてるの?」

コクコクと首を縦に振る。
シャツを握りしめている手に先生の手が重なった。

「心和の照れた顔、すごく可愛い。照れた顔も、だな」

佐々木先生はふっと微笑んだかと思うと、おもむろに私の頭を引き寄せて唇を塞ぐ。何度目のキスかわからないけれど、先生がくれるキスはいつも優しくて気持ちがいい。

でも今日は――

「んっ」

こじ開けられた隙間から舌が入ってくる。しっとりとした深いキスは、それだけで私の体から力を奪っていく。

「ほら、キスだけで真っ赤だよ」

「だ、だって」

「すごく可愛い。このまま心和のこと抱いてもいい?」

「先生、それは、私死んじゃうかも」

「そうか、それは困るな」

眉を下げて困った顔をする。先生はドSだけど、絶対に嫌なことをしない。私が拒めば必ず尊重して受け入れてくれる。それくらい先生のことを信用している。

だから、どっちに転がろうが私次第なのだ。私の意思一つで、この先が決まる。

ドキンドキンと心臓が高鳴る。恥ずかしいけれど、それ以上に先生と触れ合いたい。この先に進みたいと思う。

「……すごくドキドキしてて心臓が壊れそうなんだけど、私の知らない先生のこと、もっと知りたい。プライベートな先生のこと、教えてほしい」

ぎゅっと服の裾を握りしめる。だって大好きだから、嫌だとかそんなことはまったく思わない。ただ恥ずかしくて緊張しているだけで、この先の未来をどこか期待して待っている私もいる。

「先生になら、何されてもいいです」

「……またそういうことを言う」

佐々木先生は悩ましげに眉を下げるとチュッと軽く触れるキスをくれる。そして次の瞬間、体がふわっと浮いた。

「きゃあっ」

驚いて先生にしがみつく。これはいわゆるお姫様抱っこだ。簡単に持ち上げられてしまって、先生の逞しさにまたトクンと胸が高鳴る。

「ちゃんとベッドがいいよね?」

「先生、重くない?」

「毎日子どもたちに鍛えられてるから、これくらいどうってことはないよ」

「好き、先生ぇ」

しがみついていた手を、首に回してぎゅうっと抱きしめる。ほんのり鼻を掠める主張しないシトラスの香り。香水なのか柔軟剤なのか、よくわからないけれど、大好きな佐々木先生の香り。