癒やしの小児科医と秘密の契約

渋滞もなく順調に高速も下りて、あっという間に先生のマンションについた。先生のお宅に入るのは二回目だ。モノトーンで統一された綺麗なお部屋。佐々木先生のほんわか優しいイメージとはちょっと違って、どこかクールだ。

「先生ってもっと可愛い色が好きなのかと思っていました」

「イメージと違った?」

「うーん、なんか、新しい先生を発見できたみたいで嬉しいかも」

「俺はみんなが思うほど優しくないからね」

「ドSですしね」

「そうだね、ドSなんだよ」

くっと手を引かれてソファにぽすんと座る。繋いだままの手が、恋人だと証明してくれているみたいで嬉しい。

「ずっとニコニコしてるね」

「だって嬉しいです。先生のこと大好きなので」

もう時間が止まればいいとすら思っている。この幸せな時間が永遠に続けばいいのに。夜なんて明けないでほしい。

佐々木先生は「うーん」と小さく唸って、私の肩にぽすんと顔を伏せた。

「先生?」

「なんていうか、嬉しいけど恥ずかしいっていうか」

「恥ずかしい?」

「そうだよ、心和はいつもまっすぐな目で好きって言うから」

「もしかして照れてますか?」

「……いつも照れてるよ」

「嘘だぁ」

だってそんな素振り見たことない。いつも私だけが騒いで賑やかして、そして照れていた。先生が照れてくれたことなんて、運転してるときにちょっとだけ見せてくれたあの表情しか知らない。

「もっと照れてください」

「ドSめ」

「先生ほどでは」

「そうだね。俺は心和が照れてる顔、好きだけどな」

「へっ?!」

ドックンと心臓が揺れる。瞬間、首筋にかかる先生の息と唇の触れる感覚。ゾクゾクと体の奥が痺れて、お腹の奥の方がキュッとなった。

「あ……せ、先生ぇ」

佐々木先生のシャツをぎゅっと握りしめる。首筋を這う唇の動きが止まらない。体がビクビクして、頭が真っ白になりそう。