癒やしの小児科医と秘密の契約

結局メインの食事を一つずつと、食べきれないと困るからと言ってデザートプレートを一つだけ頼んだ。

「可愛いぃぃぃ。写真撮ってもいいですか?」

「もちろん」

「どうしよう、可愛すぎて食べられない」

スマホでカシャカシャ写真を撮っていると、私のスマホのカメラとは違うカシャッという音がする。不思議に思って顔を上げると先生がスマホをこちらに向けていた。

「あ、バレた」

「なっ、何撮ってるんですか!」

「夢中になってる心和を記録に収めていただけだよ」

「それなら私は先生とのツーショットが撮りたいです」

「俺と?」

「そうですよぅ」

私は席を立って佐々木先生の横に行く。スマホのカメラ設定を内側に変えて、二人入るように調節して……。と思ったら、思いのほか先生がくっついてくるので緊張して手が震えてしまう。

近い、近いよ、先生!
ほのかにシトラスの香りもするし、心臓爆発するかも!

「せ、先生ぇ。無理です」

「んー、じゃあ俺が撮るよ」

スマホを操作するのが無理だと思われたらしく、先生が代わりにスマホを持つ。いや、そうじゃない。無理って言ったのは、佐々木先生に近すぎて恥ずかしくて無理って意味だったんだけど。

「きゃっ」

急に腰が引かれて、勢いのまま先生の膝にストンと座る。先生の手が腰に回ったまま、まるで抱きしめられているかのような体勢。

「はい、いいお顔」

言われるがままカメラを見る。
カシャッと小気味良い音がして、はっとなって膝から飛び降りた。

「せ、せ、せ、先生ぇ」

「あはは、顔真っ赤」

「ひーん」

他にお客さんもたくさんいるっていうのに、なんてことをするの。こんな風に辱められるなんて、やっぱり佐々木のSはドSのSだ。

でも……。
綺麗に撮れたツーショット写真。
かっこいい。嬉しい。家宝にしたい。
ああ、ニヤケが止まらない。