仕事終わり、シフトが同じだった千里さんに無理やり引きずられながら駅前の『焼肉モーちゃん』に入った。こじんまりした店内には幾つかの座敷席と、カウンター席がある。すでにモクモクと煙る店内には、美味しそうなお肉の焼けた香りが充満していた。
「あ、来た来た。こっちだよー」
「お疲れ様。先に始めてるよ」
杏子さんと桜子さんが座敷席の奥から手を振っている。
他のお客さんの間をすり抜けて、そちらへ向かった。
「遅れてすみません」
「いいよいいよ。とりあえずビール?」
「ですね」
千里さんが頷くと、杏子さんが「すみませーん」と店員さんに注文してくれた。目の前の炭火はすでに温まっていて、桜子さんがトングを持ってそわそわしている。
「自分で焼く焼肉、やってみたかったの」
キラキラと目を輝かせる桜子さんは、実はうちの病院の理事長の娘さんで、庶民にあこがれるちょっと方向性が間違っているお嬢様だ。
「逆に自分で焼かない焼肉って何ですか?」
すかさず千里さんがツッコむ。
私も知りたい、自分で焼かない焼肉。
「じゃあ今日は桜子さんが焼肉奉行だね。はい、これ焼いてみよう」
杏子さんが桜子さんにお肉を渡して、楽しそうにレクチャーを始めた。
目の前でどんどん焼けていくお肉をぼんやりと眺める。とっても美味しそうなのに、あまり食欲がわかないのはなぜだろう。
「はい、心和ちゃん。いっぱい食べなよ~」
「あ、すみません」
取り皿にお肉が盛られていく。別皿のタレにつけて、パクリと口に入れた。炭火が香ばしく、お肉も柔らかくて美味しい。
「どう、桜子さんが焼いたお肉」
「はい、とっても美味しいです」
「私、焼肉屋始められるかも」
「それはさすがにぶっ飛びすぎ」
ゲラゲラと楽しい笑い声に包まれる。私もくすりと笑った。
「あ、来た来た。こっちだよー」
「お疲れ様。先に始めてるよ」
杏子さんと桜子さんが座敷席の奥から手を振っている。
他のお客さんの間をすり抜けて、そちらへ向かった。
「遅れてすみません」
「いいよいいよ。とりあえずビール?」
「ですね」
千里さんが頷くと、杏子さんが「すみませーん」と店員さんに注文してくれた。目の前の炭火はすでに温まっていて、桜子さんがトングを持ってそわそわしている。
「自分で焼く焼肉、やってみたかったの」
キラキラと目を輝かせる桜子さんは、実はうちの病院の理事長の娘さんで、庶民にあこがれるちょっと方向性が間違っているお嬢様だ。
「逆に自分で焼かない焼肉って何ですか?」
すかさず千里さんがツッコむ。
私も知りたい、自分で焼かない焼肉。
「じゃあ今日は桜子さんが焼肉奉行だね。はい、これ焼いてみよう」
杏子さんが桜子さんにお肉を渡して、楽しそうにレクチャーを始めた。
目の前でどんどん焼けていくお肉をぼんやりと眺める。とっても美味しそうなのに、あまり食欲がわかないのはなぜだろう。
「はい、心和ちゃん。いっぱい食べなよ~」
「あ、すみません」
取り皿にお肉が盛られていく。別皿のタレにつけて、パクリと口に入れた。炭火が香ばしく、お肉も柔らかくて美味しい。
「どう、桜子さんが焼いたお肉」
「はい、とっても美味しいです」
「私、焼肉屋始められるかも」
「それはさすがにぶっ飛びすぎ」
ゲラゲラと楽しい笑い声に包まれる。私もくすりと笑った。



