仕事終わりの新年会。
駅前の居酒屋に、小児科で働く医師と看護師が集まった。
「すみません、遅れました」
私は仕事で少し遅れて参加。もう会は始まっていて、空いている席は上座にいる部長先生の横。さすがに部長先生の横は嫌だなあと思ったのだけど、その隣には佐々木先生が座っていて、私と目が合うなり手招きしてくれた。
「川島さん、ここ空いてるよ。部長、ひとつ席ずれてもらえますか?」
部長先生の隣は嫌だと顔に出ていただろうか。佐々木先生は部長先生と共にズレてくれて、私はその空いた席に座ることになった。
「すみません、ありがとうございます」
「お疲れさま。何飲む?」
「じゃあとりあえずビールを」
佐々木先生がスマートに注文してくれる。来て早々世話を焼かれ、なおかつ隣に座れるなんて、まるで宝くじにでも当たった気分だ。
少し離れて座っている同じ小児科で働く千里さんが、こちらを見て親指をぐっと突き立てる。私が佐々木先生の隣にいることを喜んでくれているみたいだ。
せっかくのチャンスなので何か話題をと思ったけれど、そういうときに限って何も出てこない。ポンコツコミュ力が憎い。
あー、何か、何か話題を!
と頭を巡らせていたら、佐々木先生がこちらを見た。
「川島さんは、ニャンコ好きなの?」
「えっ?」
「杏子ちゃんがそう言ってたんだけど」
あ、杏子さんったらいつの間に?!
でもお正月休みにニャンコ履修しておいてよかった。ニャンコの話題で佐々木先生と仲良し大作戦だ。
「ニャンコ好きです。恋愛と友情と青春が熱いですよね!」
「わかる。映画見た?」
「あ……映画はまだ見てなくて」
あー、私のバカバカ。アニメは全話見たけど、映画までは見れなかった。ていうか、映画はアマプラで有料だったから、また今度……とか思っちゃって。なんでそこ、ケチっちゃったんだろう。
駅前の居酒屋に、小児科で働く医師と看護師が集まった。
「すみません、遅れました」
私は仕事で少し遅れて参加。もう会は始まっていて、空いている席は上座にいる部長先生の横。さすがに部長先生の横は嫌だなあと思ったのだけど、その隣には佐々木先生が座っていて、私と目が合うなり手招きしてくれた。
「川島さん、ここ空いてるよ。部長、ひとつ席ずれてもらえますか?」
部長先生の隣は嫌だと顔に出ていただろうか。佐々木先生は部長先生と共にズレてくれて、私はその空いた席に座ることになった。
「すみません、ありがとうございます」
「お疲れさま。何飲む?」
「じゃあとりあえずビールを」
佐々木先生がスマートに注文してくれる。来て早々世話を焼かれ、なおかつ隣に座れるなんて、まるで宝くじにでも当たった気分だ。
少し離れて座っている同じ小児科で働く千里さんが、こちらを見て親指をぐっと突き立てる。私が佐々木先生の隣にいることを喜んでくれているみたいだ。
せっかくのチャンスなので何か話題をと思ったけれど、そういうときに限って何も出てこない。ポンコツコミュ力が憎い。
あー、何か、何か話題を!
と頭を巡らせていたら、佐々木先生がこちらを見た。
「川島さんは、ニャンコ好きなの?」
「えっ?」
「杏子ちゃんがそう言ってたんだけど」
あ、杏子さんったらいつの間に?!
でもお正月休みにニャンコ履修しておいてよかった。ニャンコの話題で佐々木先生と仲良し大作戦だ。
「ニャンコ好きです。恋愛と友情と青春が熱いですよね!」
「わかる。映画見た?」
「あ……映画はまだ見てなくて」
あー、私のバカバカ。アニメは全話見たけど、映画までは見れなかった。ていうか、映画はアマプラで有料だったから、また今度……とか思っちゃって。なんでそこ、ケチっちゃったんだろう。



