ニャンコ展は、カフェに併設されている本屋で開催されている。壁一面ニャンコで飾り付けられ、そこかしこにニャンコたちが顔を覗かせていた。
「可愛い〜!」
「すごいね、原画だって」
「これは高まります。ワクワク止まりません」
「来てよかったね」
「はいっ!」
一通り見て回ると、最後にグッズ販売コーナーが広がっていた。ニャンコのペンやノート、マスキングテープなどなど。どれも可愛くて目移りしてしまう。
「先生、何か買いますか?」
「俺はマグカップ狙いだな」
「マグカップかあ〜。あっ、ここにありますよ」
手に取って佐々木先生に見せようとした瞬間、背後にドンッとぶつかる衝撃で前のめりになった。「うぎゃっ」という可愛くない悲鳴と共に佐々木先生の胸にダイブする。
「おっと、大丈夫?」
「マグカップは無事です」
佐々木先生にダイブしたことよりも背中に受けた衝撃よりも、マグカップを落として割らなかったことにホッと安堵する。
しかし何だったんだと後ろを振り返ると、私にぶつかったであろう5歳くらいの男の子がオロオロと立ちすくんでいた。そして母親らしき女性が血相を変えて飛んでくる。
「すみません!」
「あ、いえいえ。大丈夫です」
「ほら、ちゃんと謝りなさい」
なかなか謝ることができない男の子の前に、佐々木先生はすっと腰を落とす。目線を合わせるとニコッと微笑んだ。
「大丈夫? 痛いところない? 人が多いところで走ると怪我するからね。歩こうね」
「……うん」
結局男の子がごめんなさいを言うことはできなかったけれど、佐々木先生の話はちゃんと理解したみたいだ。バイバイと手を振って別れる。お母さんには平謝りされたけれど。
そういえばずいぶんと人が増えてきた。ニャンコって人気なんだなあ。グッズも早く買わないと売り切れちゃうのかもしれない。
「可愛い〜!」
「すごいね、原画だって」
「これは高まります。ワクワク止まりません」
「来てよかったね」
「はいっ!」
一通り見て回ると、最後にグッズ販売コーナーが広がっていた。ニャンコのペンやノート、マスキングテープなどなど。どれも可愛くて目移りしてしまう。
「先生、何か買いますか?」
「俺はマグカップ狙いだな」
「マグカップかあ〜。あっ、ここにありますよ」
手に取って佐々木先生に見せようとした瞬間、背後にドンッとぶつかる衝撃で前のめりになった。「うぎゃっ」という可愛くない悲鳴と共に佐々木先生の胸にダイブする。
「おっと、大丈夫?」
「マグカップは無事です」
佐々木先生にダイブしたことよりも背中に受けた衝撃よりも、マグカップを落として割らなかったことにホッと安堵する。
しかし何だったんだと後ろを振り返ると、私にぶつかったであろう5歳くらいの男の子がオロオロと立ちすくんでいた。そして母親らしき女性が血相を変えて飛んでくる。
「すみません!」
「あ、いえいえ。大丈夫です」
「ほら、ちゃんと謝りなさい」
なかなか謝ることができない男の子の前に、佐々木先生はすっと腰を落とす。目線を合わせるとニコッと微笑んだ。
「大丈夫? 痛いところない? 人が多いところで走ると怪我するからね。歩こうね」
「……うん」
結局男の子がごめんなさいを言うことはできなかったけれど、佐々木先生の話はちゃんと理解したみたいだ。バイバイと手を振って別れる。お母さんには平謝りされたけれど。
そういえばずいぶんと人が増えてきた。ニャンコって人気なんだなあ。グッズも早く買わないと売り切れちゃうのかもしれない。



