「心和さん、大丈夫ですか?」
「うーん、おでこ打ったぁ。ちょっとどうなってるか見てくれる? たんこぶできたかも」
「ここですか?」
拓海くんが私の前髪を上げた。莉々花ちゃんと倒れ込む時に、机の角でおでこを思い切り打ちつけたのだ。触った感じではちょっと膨れているような気がする。
「あ〜、これは痛そう。冷やしますか」
「どうしたの?」
「あっ、佐々木先生。莉々花ちゃんが倒れちゃって」
俊介さんは莉々花ちゃんの方を見やる。部長先生が対応してくれているのを確認してから、私の横に膝をついた。
「心和はどうしたの?」
「机におでこ打っちゃって……」
「心和さんが、倒れた小谷を受け止めたんですけど、勢いがよくて二人で倒れてしまって。そのときに机にぶつけたみたいなんです。結構派手な音がしました」
拓海くんが補足説明してくれる。俊介さんは私のおでこを触りながら「吐き気は? 手は痺れてない?」などと心配そうに覗き込んだ。
「大丈夫です。問題ありません。視界もぼやけていません」
「そう、それならよかった。とりあえず冷やそうか。牧野くん、保冷剤とタオル持ってきてくれる?」
「はい、わかりました」
ズキズキ痛むだけで何ともないのに、俊介さんに手厚く支えられて立ち上がった。ちょうど莉々花ちゃんも部長先生に支えられながら立ち上がったところだ。
「あー、ちょうどいい、佐々木くん。君、もう仕事終わるだろう? 小谷さんを送ってやれないか?」
「えっ?!」
と驚きの声を発したのは私で……。思わず俊介さんをガン見してしまう。俊介さんは誰にでも優しいから、きっとすぐに「いいですよ」と言うに違いないと思ったのに、思いのほか困惑した表情で固まっていた。
「実家暮らしみたいだから、家わかるだろ? 子どもの頃近所だって言ってなかった?」
「……はい、そうですね」
私をちらっと見た俊介さんは、とんでもなく申し訳ない表情をした。
俊介さんの優しさの葛藤がわかってしまって、嬉しくて胸がキュンとなる。優しいから「送ってあげよう」としているし、優しいから「心和に悪い」って思っているんだろうな。きっとそう、俊介さんってそういう慈悲深い人だもの。だから、嬉しいのに、ちょっぴり切ない。
「うーん、おでこ打ったぁ。ちょっとどうなってるか見てくれる? たんこぶできたかも」
「ここですか?」
拓海くんが私の前髪を上げた。莉々花ちゃんと倒れ込む時に、机の角でおでこを思い切り打ちつけたのだ。触った感じではちょっと膨れているような気がする。
「あ〜、これは痛そう。冷やしますか」
「どうしたの?」
「あっ、佐々木先生。莉々花ちゃんが倒れちゃって」
俊介さんは莉々花ちゃんの方を見やる。部長先生が対応してくれているのを確認してから、私の横に膝をついた。
「心和はどうしたの?」
「机におでこ打っちゃって……」
「心和さんが、倒れた小谷を受け止めたんですけど、勢いがよくて二人で倒れてしまって。そのときに机にぶつけたみたいなんです。結構派手な音がしました」
拓海くんが補足説明してくれる。俊介さんは私のおでこを触りながら「吐き気は? 手は痺れてない?」などと心配そうに覗き込んだ。
「大丈夫です。問題ありません。視界もぼやけていません」
「そう、それならよかった。とりあえず冷やそうか。牧野くん、保冷剤とタオル持ってきてくれる?」
「はい、わかりました」
ズキズキ痛むだけで何ともないのに、俊介さんに手厚く支えられて立ち上がった。ちょうど莉々花ちゃんも部長先生に支えられながら立ち上がったところだ。
「あー、ちょうどいい、佐々木くん。君、もう仕事終わるだろう? 小谷さんを送ってやれないか?」
「えっ?!」
と驚きの声を発したのは私で……。思わず俊介さんをガン見してしまう。俊介さんは誰にでも優しいから、きっとすぐに「いいですよ」と言うに違いないと思ったのに、思いのほか困惑した表情で固まっていた。
「実家暮らしみたいだから、家わかるだろ? 子どもの頃近所だって言ってなかった?」
「……はい、そうですね」
私をちらっと見た俊介さんは、とんでもなく申し訳ない表情をした。
俊介さんの優しさの葛藤がわかってしまって、嬉しくて胸がキュンとなる。優しいから「送ってあげよう」としているし、優しいから「心和に悪い」って思っているんだろうな。きっとそう、俊介さんってそういう慈悲深い人だもの。だから、嬉しいのに、ちょっぴり切ない。



