授業を終えた私は、待ち合わせの場所へ急いだ。時計を見ると、約束の時間まであと10分。するとガヤガヤと声が聞こえてきた。

友達に囲まれているのは、私の自慢の彼氏しーくん。しーくんは、今日もカッコいい。

「このあと遊びに行こうぜ?」
「今日はいい。」
「何?予定あんの?」

しーくんがこちらへ視線を向けると、友達が一斉にこちらを向いた。

(やばっ……)

「あ〜そういうこと。」
「早く言えよ。」
「んじゃ、またな。」

友達を追い返してしまったようで、ちょっと罪悪感。

「ごめん、遅くなって。」
「ううん。私も今来たところだから。」

しーくんは、友達と話すときに私がいると、ちょっとだけ嫌な顔をする。

だから、できるだけしーくんの友達とは会わないようにしていたけど、今日は失敗してしまった。

「しーくん。友達と遊ぶなら今日は……」
「今日は紗奈と約束してたんだよ。早く行こう?」
「うん。」

(友達に勝った〜!)

私は静かに優越感に浸った。