「椿季(つばき)ちゃんの彼氏、かっこいいね」

花純(かすみ)が南都(なつ)に初めて会ったのは、高校生の時だ。

南都は花純たちか通う高校の普通科の生徒で、花純たちは看護科の生徒だった。

彼氏を紹介すると椿季は言って、紹介されたのが南都と言うわけだ。

「え!?
俺なんか全然だよ。
普通科はイケメンパラダイスだから」

実際、普通科男子はイケメン揃いだったが、普通科男子が苦手な花純にはそんなことどうだってよかった。

花純がこれまで好きになった人は1人。
その人は南都とは違い、大人しい人だった。

それがだ、今回は何をどう間違えたか、バカ騒ぎが好きな明るい男子。

「南都くん、あのね」

幸せそうな椿季の邪魔はしない。
…出来るわけがない。