黒百合の女帝

 「ユリは、このままで良いのか?」

 「というと?」

 「裏に居続けて」

 「ああ、まあ別に……。カヤと出会えたし。」

 「嶺春に傷付けられたのに?」

 「それはまあ、悲しいけどさ。しょうがないじゃん?学校の人間関係とさして変わらないよ。」

表情に陰りを見せながら、そう話す彼女。

無理に語尾を上げる様子が、痛々しく感じる。

そんな彼女を、守ってあげたい。

あの日、保健室で傷を癒して貰った様に。


 それに、麓冬はユリ以外の全員が男だとか。

この場には居ないが、副総長もいるらしい。

正体不明の白髪男、常に浮つくオレンジ男。

全員漏れなく不良で、全員漏れなく怪しい。

自分を棚に上げるが、そんな奴らとは関わるべきじゃない。

いつ彼女が騙され、利用されてしまうのか。

……いや、それだけは絶対にダメだ。

俺がハイエナどもから、ユリを守らなければ。