黒百合の女帝

 ぐうの音も出ない状況だ。

なんだか、逃げる方がよい気がしてきた。

色々と考えているうちに、集中力は切ていく。

総長としての責任、選択を誤った場合の不安。

彼女の身の安全に、ストーカーの危険性。

警察がいつやってくるか、予想もできないし……

 「……わかりました。俺は一旦逃げますが、警察が来たり何かあったら、絶対に電話を掛けてください。」

 「わかりました。何度も言いますが、あなたは命の恩人です。どうかお気をつけて。」

 「総長ばいば〜い。明日辺り、ご褒美のハーゲン◯ッツ期待してるよ〜」

二人に手を振り、遠くまで駆けて行く。

確か近くにコンビニがあった。そこへ行こう。

もし何かあっても、すぐに戻ってこれるように。

その後連絡を待つ間、不安でならなかった。

しかし、その心配には及ばなかったようだ。

五分後、ユリさんから電話が掛かってきた。

どうやら、無事警察が到着したらしい。

思わず安心のあまり、その場にしゃがみこんでしまう。

本当に、彼女が無事でよかった……