黒百合の女帝

 「それは確かに有り得ますね……。今日はあの手紙が来てから五日目です。」

 「なら後二日は来ない可能性があります。謝れる期間が、明後日の夜までの場合ですが」

 「ええ。手紙の内容からも、帰宅後の在宅中を襲ってくる可能性は高いかと。」

彼女はそう言い、こちらを向く。

その表情は、どことなく嬉しそうだった。

 「もし間違えた場合は不安ですが……ユウヒさんが居れば安心ですね。」

 「できる限りの最善は尽くします」

 「そこは絶対に守り抜くって言う場面ですよ。」

柔らかく目を細める彼女に、俺も笑い掛ける。

夜道は見通しが悪く、月明かりもどこにもない。

それでもこの瞬間だけは、ちっとも怖くなかった。