黒百合の女帝

 「そういえば。昨日俺なりに、ストーカーが静かな理由を考えてみたんですけど……」

あれからなんとか電車に間に合い、40分後。

電車を降り、日が落ちた街を歩く。

そんな中話を切り出せば、彼女は振り向く。

 「なにか、思い当たる節が……?」

 「ええ。ユリさんが見せてくれた、二通目の手紙。あれが仮説の一部です」

二枚目の手紙……というか脅迫状。

そこには、送り主の怒りが綴られていた。

 「あそこには、一週間以内に謝りに来いとありました。ということは、それまでは沈静化してるんじゃないかなって」

ストーカーは、彼女が謝りに来ると信じている。

だからこそ、彼女をどこかで待ち続けている。

又は彼女の誠実さを信じ、追跡は野暮だと中止。

よくわからんが、その可能性もあると考えた。

彼女も納得してくれたようで、深く頷いている。