黒百合の女帝

 男からの問いに、曖昧な返事をするユリ。

その不明瞭な口調に、苛つきが募る。

俺との関係を知られて、困ることがあるのか。

もしかして、その男に知られたくないのか?

 「なんだ。生徒会長が素行不良か?」

ここぞと嫌味を言えば、彼女は強く拳を握る。

しかしすぐにそれを解き、溜息を吐いた。


 「夏八(カヤ)。取り敢えず倉庫行こ。ラクアも付いてきて。」

そう言うと、ユリは一人でに歩き出してしまう。

白髪の男は俺を睨んだ後、ユリを追っていった。

未だに不可解な彼女に、違和は積もる。

あのユリが、こんな夜中に外出だなんて。

とてもじゃないが、彼女らしくない行動だ。

大方、あの男に騙されているのだろう。

まずは、彼女からその背景を聴かなければ。