黒百合の女帝

 ___もしや、ユリの彼氏だろうか。

そんな説が浮上した途端、負の感情が俺を襲う。

寂寥感と抵抗感、失望感に嫉妬心。

おおよそ、それらに該当するであろう感情たち。

___とても不愉快だ。

予想外の事態に、声を掛けようか躊躇する。

しかし口を開く前に、ユリが後ろに振り向いた。

当然、その先に居るのは俺だ。

彼女はそれに気付いたのか、大きく目を見開く。

 「え、ラクア……だよね?」

そう言うと、彼女は大きく息を吸う。

男もそれに反応し、遅れて振り返った。

そして俺をいぶかしむ様に、睨みつけてくる。

しかしそれは無視し、ユリの方を向き直した。

彼女は狼狽した様に、あちこちを見回す。

 「え、なんでここに?」

 「お前の方こそ、なんで……」

そう聞き返せば、白髪の男が邪魔に入る。

 「ユリ、こいつ誰?」

 「えっと、元同級生、なんだけど……」