黒百合の女帝

 様々な展示生物を眺め、適当に説明文を読む。

 「へえ。このモウドクフキヤガエルって、地球上の生物で最強レベルの猛毒持ってるんだって。」

体長五、六センチメートル程の黄色い蛙を指差す。

踏めば死にそうな割に、毒素は強力なよう。

その隣に展示されている蛙はサビトマトガエル。

枯葉に隠れるため、赤の体色なのだとか。

 「蟹」

 「え?蟹?」

 「トマトより、蟹の色」

ラクアにそう言われ、再び蛙を観察してみる。

そんなどうでもいい事が気になるのか。

そう感心せざるを得ないほど、微々たる差だ。

理解不能な興味に驚きながら、同調しておく。

 「確かにそうかも!背中広いし、なおのこと蟹みたいだね!」

心にもない感想を述べ、別のエリアに移る。