黒百合の女帝

 などと考えていれば、カヤが突然振り向く。

その視線は、明らかに私を捉えていた。

 「どうしたの?」

 「いや、ユリは抗争に参加するのかと思ってな」

彼の問いに、今回は少し悩んだ。

総長として、全体の実力は把握しておきたい。

それに加え、私たちは孔冥として出るのだ。

百鬼夜行は私たちが孔冥でない事を知らない。

まず、今回の抗争に嶺春は無関係だし……。

などと逡巡していれば、ヤユが微笑を浮かべた。

 「そういえば、ユリちゃんは救護班なの?あっ、それとも普段は鑑賞?」

 「は?」

ヤユの発言に、カヤが瞬発的に呟いた。

それにヤユは口角を落とし、カヤを凝視する。

そういえば、ヤユは私の実力を知らないのか。

 「ヤユ、私は戦闘員として参加するつもりだよ?」

表情を変えずに、ヤユの顔を見ながらそう言う。

するとヤユは目を大きく見開き、

 「ユリちゃん、囮役とかじゃないよねっ!?」

と叫んでみせた。