黒百合の女帝

 「なら、是非みんなの成長ぶりを見てって欲しいです!」

カナルから話があったその翌日。

抗争の件で、指導役のヤユを呼んだのだが。

どうやら、彼はその話に積極的なようだ。

彼の浮かべる笑みは、どこか意欲的だった。

 「みんな最初の頃に比べてすっごい成長してて!カヤさんたちにも見て欲しいんです!」

凄まじい目力で、カヤに顔を近づけるヤユ。

カヤは彼との間に、手で守りを作っていた。

顔を背けたカヤは、必死に頷いている。

 「わかった。俺も参加するから、な?静まれ、静まってくれ」

というカヤの懇願に、ヤユが体を背凭れに戻す。

そして両手を真上に上げ、拳を作った。

 「やったあ!ありがとうございます!」

 「いや、気にするな……」

カヤの言葉からは、安堵が強く感じられた。

私としても、ヤユが元気になったようで一安心だ。

それにしても、ヤユが指導する麓冬の下っ端。

彼らはどれほどの成長を遂げたのだろうか。