黒百合の女帝

 「ノームも俺も、互いに秘密を握っている。俺があっちを告発しない限り、向こうも動かないだろう」

 「麓冬へのお咎めは?」

私が問うと、カナルが椅子から腰を上げた。

そのまま扉まで向かい、ドアノブを握る。

 「生憎そんな暇もない。とにかく、嶺春打倒に尽力してくれれば良い」

 「そう。まあ安心して。私たちは孔冥を裏切らないし、ちゃんと協力するから。」

 「それが麓孔同盟の協定だからな」

カナルはそう言い、扉を前方に押し出した。

それと同時に、私の方に振り返る。

 「期待してるぞ」

 「任せといて。私も次の手土産は期待しておくからね?」

冗談を混ぜた返事に、カナルの声音が変化した。

 「次はおはぎの予定だ」