黒百合の女帝

 「麓冬の実力は買っている。それに加え、抗争場所からお前たちが一番近い」

 「まあ、事情は理解はした。けど、返事は相手の実力を知ってからかな。」

私の要望に、鞄からファイルを取り出すカナル。

開いてみると、中には敵の情報が記されていた。

どうやら、百鬼夜行は多数の族と争うようだ。

相手の族は合わせて六つあり、どれも無名。

一通り目を通し、ファイルを机に放り投げる。

 「どうだ?」

 「うん、これ相手なら良いよ。百鬼夜行となら十分勝てる。」

返答しながら、手土産の苺大福を刺す。

顔を上げてみると、彼の表情は綻びていた。

 「なら、詳細は追って連絡する」

 「わかった。良い結果を約束するよ。」

大福を口に入れつつも、彼の様子を伺う。

どうやら、まだ話すことがあるそうだ。

彼の話に答えられるよう、大福を飲み込んだ。