黒百合の女帝

 「ヤナギ、プリ盛れてるね。」

 「ほとんど加工つけなかった筈なんだけど……」

 「自己肯定感高いなら堂々として。むかつくから。」

プリントシール機の前にて、シールを回収する。

ヤナギと確認し合い、その出来栄えを共有した。

私がシールを切っていると、彼が片手を上げる。

 「ごめんだけど、たばこ吸いに行ってもいいかな?」

 「ヤナギって喫煙者だったんだ。」

 「まあね。じゃあこの近くの喫煙所に居るから」

そう言うとヤナギは出口の方に行ってしまった。

シールを切り終わり、腕時計を一瞥する。

時刻は午後七時。あれから四時間が経っていた。

私も帰る事にし、出口の方に向かっていく。

店の外に出てから、屋外喫煙所の方へ向かった。

が、どこにもクリスマスカラーは見当たらない。

周囲をもう少し探索するか、このまま帰るか。

その二択で迷っていた、その時。

背後から突然、アルミの鋭い音が聞こえてきた。

振り向いてみて、そこが路地裏であるとわかる。

なんだか、いつの日かを思い出すな。

面白く思いながら、路地裏を覗いてみた。