黒百合の女帝

 それ以降は適当な世間話が続いた。

秘密主義の彼は、個人的な話を一切交えない。

代わりにするのは、知り合いの話が殆どだった。

その中でも、物騒な話が一段と多い。

やはり裏の人間なのか、というのが感想だった。

キャバクラとビジネスの面で面識がある。

裏社会では定番の焼肉屋を使う。

それらの行動から、以前から疑ってはいた。

それにしても、どこの組織の奴なのか。

などと考える間にも、クレープを食べ切ってしまった。

包装紙を折り畳んでいれば、伸びてきた彼の腕。

放心しているうちに、彼の指が口角を拭った。

その時、彼の親指が下唇に少し触れる。

彼の親指を見ると、そこには白いクリームが。

 「口元にクリーム付いてたよ」

そう言いながら、親指を舐めるヤナギ。