黒百合の女帝

 「僕はユリのことをもっと知りたいだけだよ?」

 「ああ、そういう事。」

つまり、弱点が知りたかったのか。

そう解釈しながら、再び溜息を吐きたくなる。

実際、彼は私の弱点を見つけたのだから。

 「ところでユリ、佐奈高に通ってるんだね」

ほら、やはり彼は気付いていた。

口角を無理やり上げ、作り笑いを浮かべる。

 「へえ、なに。制服マニア?」

 「いや?僕もそこ出身だから」

ヤナギの言葉に、その端正な顔を見上げる。

佐奈川大学付属高等学校、訳して佐奈高。

ここに通えば、内部進学で佐奈川大に行ける。

しかし、ヤナギは見たところ20代前半。

佐奈高に通っていたなら、進学すれば良いのに。

その歳での就職に、少々疑問を覚える。

だが、そのような疑問は頭の隅に追いやった。