黒百合の女帝

 「仕事は午後からなんだよね。あっ、こんにちは〜」

私の肩に手を置いたまま、片手を振るヤナギ。

それに対し、同級生たちは黄色い声を上げた。

おおよそ、ヤナギの美貌に魅せられたのだろう。

 「ユリちゃんっ、その人誰っ!?」

 「いとこだよ。分家の方の。」

食い気味な知り合いに、従兄と紹介しておく。

すると彼女らは納得したように頷いてみせた。

 「ユリちゃん美人だもんね!やっぱり美男美女の血なのか!」

 「ビジュが好きです!写真撮ってください!」

彼女たちの注目が、すべてヤナギに集結する。

やはり、ヤナギの容姿は最大限活かすべきだな。

今まで機会はなかったが、彼の顔は看板になる。