黒百合の女帝

 比較的早く学校が終わった木曜日。

今は学校帰りに同級生と寄り道に来ていた。

騒々しい街を歩きながら、ふと前方を見る。

目に付いたのは、やけに鮮やかな服の男。

そいつと目が合った瞬間、舌打ちが出掛かる。

しかし、彼は私に用事などない筈。大丈夫だ。

と視線を外した数秒後、何者かの手が肩に乗る。

それと同時に、背後から鈴の音が聞こえてきた。

 「やっぱりユリだよね?なになに?その子たちはお友達?」

 「あれっ、ユキ?仕事はどうしたの?」

彼の質問には答えず、今気付いたふりをする。

するとヤナギは動揺した後、微笑を取り繕った。