黒百合の女帝

 「ねえねえユリちゃんっ、この後カラオケ行かない?」

高い声音で、そう問い掛けられた。

視線を移せば、それを口にした少女と目が合う。

屈託のない笑みは、私に向けられていた。

返事を考える間に、早くも周囲がはしゃぎ出す。

 「ユリちゃん超歌上手じゃん!」

 「どう?今日は時間あるんでしょ?」

その溌剌とした勧誘は、とてもかったるい。

が、それは脳内で処理し、笑顔で頷いておいた。

 「行く行くっ。あそこのパフェ好きなんだ〜。」

心にもない返事に、歓声を上げる少女達。

その光景は、どうも私とは乖離して見えた。