黒百合の女帝

 でかいタッパに反し、声はか細かった。

その様子に、カナルが悲痛そうに顔を歪める。

どうやら、カナルも情が湧いているらしい。

 「そうでもない。ずっと一緒に居たからこそ、俺はお前らを信用している」

 「嘘なんじゃないのか、その言葉は」

 「本当だ。でなければ、俺はこんな風に白状していなかった」

カナルの感情が篭った声に、ジンが顔を上げる。

そんな友情の試される名場面において。

除け者の私たちは、心底興味がなかった。

シズルに至っては、カナルを睨み付けている。

どういう風の吹き回しだ、と考えていそうだ。

ジンの動揺も収まった頃。

カナルが姿勢を正し、ようやく本題に入った。

 「さっき俺は孔冥の総長と言ったが、簡単に言うと孔冥は反嶺派なんだ」

端的な説明に、彼らは驚きを露わにした。

それに加え、シズルは疑念を訴えかけてくる。

 「反嶺派であることが、僕たちに関係あるの?」

 「ああ。ここは彼女から説明した方が良いか」

カナルが私の方に向き直り、無茶を言って来た。