黒百合の女帝

 その三日後、時刻は午後八時。

百鬼夜行倉庫近くの公園にて、ベンチに座る。

メールによると、カナルは今から着くらしい。

彼の到着次第、百鬼夜行へ移動になるだろう。

それにしても、厚着をしてくるべきだったか。

息を吐くと凝結し、それが白く見えた。

そんな中、突然目の前に差し出されたココア。

それを受け取ると、カヤが隣に座った。

彼は缶のブラックコーヒーを握っていた。

 「甘いので良かったですか?」

 「缶のココアは初めてだから、なんとも。」

そう答えつつ、缶のプルタブを開ける。

一口飲んだ瞬間、カヤにそれを押し付けた。

カヤはそれを受け取り、コーヒーを渡してくる。

 「ブラックいけますか?」

 「うん、それなら飲んだことある。」

答えながらプルタブを開け、缶を傾ける。

味は以前飲んだ時と変わらず、不味くなかった。

これで多少は体も温まっただろう。