黒百合の女帝

 「ユリ、壁の方を向いてくれないか?」

 「ええ?なんで?」

 「サプライズだ」

それは言うべきでないと思うのだが。

などと考えながら、ラクアに背を向ける。

すると少しして、首に冷たい物が触れた。

目線を下げると、そこには星を模した首飾りが。

 「えっ?これ、もしかして……。」

私が振り向こうとすると、ラクアが首を振った。

 「まずは付けてからだ」

そう言い、器用にネックレスを付けるラクア。

首に下がったそれを持ち上げ、よく観察する。

中に金剛石が嵌った、金色の五芒星。

それは確かに見覚えのあるものだった。

振り返ってみると、ラクアが襟に手を入れる。

そして服に隠していた、月の首飾りを取り出した。