黒百合の女帝

 ヨウはそう断言し、頬杖を付く。

しかし彼の視線は僕から離れなかった。

答えなきゃいけない。

そんな義務感から、重い口を開く。

 「僕なりの罪滅ぼし……かな」

その言葉に、最初は首を傾げたヨウ。

しかし数秒もしないうちに、首を縦に振った。

どうやら、何かに納得したらしい。

 「そうか。ヨウはユリが冤罪だと思ってるんだったな」

彼の言葉には、嫌味などは含まれていなかった。

ただし、彼にも別に信じているものがある。

それを僕はよく理解していた。

 「俺には、今だになにが真実なのかわかんねえ」

 「僕もだよ。でも、ユリちゃんが嘘をつくとは思えない」

 「俺も、ユリが嘘をつくような奴とは思えない」

ヨウの初めての発言に、僕はあまり驚かなかった。

彼は激しくユリちゃんを嫌っていた。

でも、ヨウだってユリちゃんを信用していた。

だからこそ、彼は裏切られたと思っている。

僕だって、サクラちゃんのことは好きだ。

でも、ユリちゃんを絶対的に信用しているからこそ。

消去法で、サクラちゃんを悪者にしてしまう。

ヨウもそれと同じなのだ。

ただ、一番に信じるものが違かっただけ。