黒百合の女帝

 しばらくの間、二人で黙り込んだ。

今喋ると、嗚咽が漏れそうだから。

それでも、少しすると鼓動が落ち着いてきた。

心に余裕ができ始めた頃、ヨウと視線が合う。

互いに目線を逸らさず、数秒後。

ヨウは息を吐いた後、身を乗り出してきた。

 「なあ、ヤユ。関係なかったらいいんだけどさ」

一呼吸置いてから、彼は続きを紡いだ。

 「嶺春を出てったのって、ユリが関係してるのか?」

思わず、その質問に息が詰まった。

彼の意図がわからず、慎重に答える。

 「……なんでそう思うの?」

 「いや、ヤユは結構ユリに懐いてただろ?」

 「まあ、そうだけど……」

 「俺も考えてみたんだ。サクラがもし追放されたらって」

そこまで話すと、ヨウはクスリと笑った。

 「俺は嶺春を出てって、あいつを追う。そんな結論になった」