黒百合の女帝

 「登ってる、登ってるよ!僕知ってるんだからね、このあと落ちるんでしょ!?」

 「じゃなきゃ楽しくないでしょ。」

 「わああ……誰か助けて……」

 「じゃあ、手でも握る?」

私の提案にヤユは頷き掛け、首を横に振った。

 「安全バーから手を離したら死んじゃう!」

 「安全バーから手を離すのが楽しいのになあ。」

理解のなさに呆れつつ、ヤユの二の腕を掴む。

すると彼はこちらを向き、目を見開いて見せた。

 「これならヤユは安全バーを握ったままで済むでしょ?」

私の言葉に、ヤユが笑みを見せた……。

その瞬間、ジェットコースターが急降下した。