黒百合の女帝

 「そういえば、なんで週に二回、ここで集まるようにしてるんだ?」

茶のコップを起きながら、そう尋ねるカヤ。

それに対し、カナルは悲痛そうに眉を曲げた。

 「直接会った方が何かと安心できる。裏切り者がわかりやすいからな」

その返答により、場が居心地の悪いものになる。

それにカナルも気付いたのか、頭を搔いた。

 「すまん。変なことを言った」

 「いや、俺の方こそ不躾だった。すまない」

数秒間、机を挟んで沈黙が続く。

そんな中、カナルがおもむろに口を開いた。

 「なあ。お前らは、俺が嶺春を恨む理由を知っているか?」

私が間髪入れずに頷くと、カヤもそれに倣う。

カナルはそれを見ると、悲しげに溜息を吐いた。

 「俺もお前……ユリと同じく、元は嶺春に居た」

 「噂では、追放されたって聞いたけど。」

向こうの変化を、少しでも見逃すか。

そんな思いで、カナルを一生懸命観察する。

結果として、彼からは動揺が見受けられた。

 「その通りだ。俺は結局、クソ野郎に騙されて終わった」

そう呟くと、彼は力強く羊羹を刺した。