黒百合の女帝

 「それじゃ、いくつか気になることが。まず、麓冬の存在はどこで掴んだの?」

私の問いに、カナルが手を顎に当てた。

 「12月の中旬だったか。ヤユが嶺春を去った理由について調べていたんだ。で、ヤユを尾行してたらお前らの倉庫に行き着いた」

 「そこからは?」

 「お前ら、聖蓮と戦ったんだろ?あの辺りで聖蓮の仲間が倒れてたらしいな」

彼の説明を聞き、ああ、と声を漏らす。

そう言えば、聖蓮の応援と戦ったな。

確か、ヤユとハラ、ヤナギが対応した。

 「そんで、聖蓮からお前らのことを聞き出したんだ」

 「そこから刑牙の逃走先も思い当たったって訳ね。」

茶を飲みながら、続きを代弁する。

するとカナルは素直に頷いた。

その次に、カヤが片手を律儀に挙げた。

私が頷いてみせると、彼が発言を始める。

 「ミヤビと繋がってたんなら、なんで反嶺派殲滅作戦を中止させなかったんだ?」

そんなの訊く必要すらないだろう。

答えの出きった質問に、内心呆れる。

が、カナルは親切にも答えてくれていた。

 「嶺春は前々からいつかは実行するつもりだったらしい。そのせいで中断ができなかった」

その回答に、カヤが理解した様に相槌を打った。

 「突然中断させたら、ミヤビが不自然極まりないからか」

 「その通りだ。中断できていれば、姿を消すなんていう事もしなくて済んだんだがな」

そこまで喋り、カナルは湯呑みを傾けた。