黒百合の女帝

 「じゃあ、また次回ね」

 「はい。ではまた。」

 「じゃね〜。倉庫楽しみにしてる〜」

一連の動作を終え、彼が去ったのを確認。

再び椅子に腰を掛け、今度は足を組む。

 「あー、疲れた。ハラも少しは喋ってよね。」

 「喋ったし、喋るなって言ったのはユリだよ」

 「そんな事どうでも良いの。で、盗聴器とか仕掛けられてないよね?」

私が尋ねると、ハラは両手を広げてみせる。

 「一定の距離は保ってたから、多分大丈夫」

 「そう。私も意識してたけど、それらしい素振りはなかった。」

私たちは彼と話している間、彼を監視していた。

GPS説が本当ならば、再び仕掛けてくる可能性がある。

そう警戒しての事だったが、成果は特になし。

コーヒーを頼みながら、彼の動向を考察する。

横からは、溌剌とした「ゾンビハロウィンフラペチーノのベンティ!」という注文が聞こえてきた。

 「……まあ、証拠がないには考えたって無駄。以後警戒を怠らぬ様に。」

 「ほ〜い。あ、このケーキ期間限定品!?一緒に頼めばよかった〜、しっぱ〜い」