黒百合の女帝

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 春架の倉庫は、小さい公園だった。

そこへ行くため、バイクを思いっきり飛ばす。

その途中、ねえ、と背中から呼びかけられた。

僕の後ろには、カケルくんが乗っている。

 「なにー!?」

風に掻き消されぬよう、大きな声を出す。

するとカケルくんも大きな声を出した。

 「ヤユさん!俺、麓冬に入ってめっちゃ強くなったんす!」

 「うん!訓練のたびに、感じてるよー!」

 「だから!今日はヤユさんにこの成長をとくと見せつけてやるっす!」

弾むような声で、そう語るカケルくん。

愛想笑いをしながら、気分は落ち込むばかり。


 今回、幹部は僕とトシアキくんだけだった。

あとは嶺春から連れてきた子とカケルくんだけ。

でも、みんなは春架と会ったことがない。

春架は基本的に、嶺春幹部との交流が多かった。

だから、トシアキくんですら挨拶をしたくらい。

みんな、本気を出す気なのに。

僕がお手本になれなくて、どうするんだ。