黒百合の女帝

 「十分過ぎますね。それでお願いします。」

 「りょーかい。で、二つ目はなにかな?」

催促する彼に向かい、綺麗に微笑んでみせる。

安心しろ、難しい要求ではない、という意味で。

 「二つ目はですね……ヤナギさんの方から一人、知り合いを紹介してくれませんか。」

 「知り合い?ロクトウに入れる気なの?」

 「できるのならば、お願いしたいのですが。」

そう頼み込むが、彼は否定気味に首を捻る。

どうやら、実現性の低い話の様だ。

 「うーん。一人あてがいるかどうか」

 「ではもし可能であった場合、次回会う時に連れてこれないでしょうか?」

 「まあ、その点は大丈夫だろうね。うん、じゃあもしOK貰えたら連絡するよ」

 「ありがとうございます。では、そのような方向で行きましょう。」

話はまとまった。

素早く席を立ち、見送る態勢を整える。

するとハラもそれに倣い、悠長に椅子から立ち上がる。

ヤナギは口角を上げ、同じ様に立ってみせた。