黒百合の女帝

 「そっかあ、嬉しいよ。じゃ、これで僕たちは協力関係を結ぶってことでOK?」

 「はい、間違いありません。それから今後の方針について一つ、提案があります。」

そう切り出し、周囲を軽く一瞥。

人が居ない事を確認し、話を続ける。

 「嶺春に対抗するにあたって、秘密裏に計画を続けるのは無理があるでしょう。」 

嶺春は暴走族の中でも際立って巨大な勢力。

同盟を結んでいる族もあり、その情報網は凄まじい。

いつか、私たちの計画は露見してしまうだろう。

 「そこで、逆に表立って反逆を企てるのはどうかと思い付きました。」

暴走族の間には、常に敵対心が付き纏っている。

嶺春を目の敵にしていた族など数え切れない。

ならば、その幾多もの組織の一部になれば良い。

 「私たちで、新しい暴走族を作り上げるのはどうでしょうか?族が有名な族に競争心を抱くなど、よくある話でしょう?」

プレゼンを終え、ヤナギの眼を凝視する。

すると彼は感心したように、手を叩いてみせた。