黒百合の女帝

 その宣言通り、彼女は私を貶める気らしい。

その一環として、彼女は珍しくもカーディガンを脱いでいた。

そして露わになるは、傷だらけの体。

腹部、肩、太もも……それらに多数の傷跡が。

これが彼女の戦法。半端なものだ。

そんな計画、誰が認めてやるか。

 「加害者?私がサクラを虐めた……?なにそれ。違うよ。私、そんなことしてない!だって」

 「ふざけないでっ!」

反論の最中にも、金切り声がそれを遮る。

 「私、ユリちゃんに殴られて、脅されて……ずっと我慢してたんだよ?なのに……なのに、知らないふりしないで!」

 「ふりじゃないよ。私はただ、サクラが心配なの。」

 「心配?冗談やめてよ。ユリちゃんがやったくせに!」

 「なにかの誤解だよ!ね?まずは落ち着いて話し合おう。」

 「いつまで悪あがきを続けるつもり!?」