黒百合の女帝

 「ショウとレンシはスパイじゃなかった。」

 「カケルくんとレントくんね」

第二回、麓冬幹部会議にて。

私の報告を、すかさずヤナギが訂正。

今日その名前を知ったばかりの癖に。

脳内で文句を垂れ、彼の指摘は無視する。

そんな時、ハラが椅子の上で仰け反った。

 「あ〜あつまんないの。ドラマみたいなわくわく展開期待してたのに」

 「お前は仲間意識の欠片もないな」

以前と同じく書記のカヤが、そう口を挟む。

するとヤナギが喉を鳴らし、目を細めた。


 聖矢との接触で、スパイ説は否定された。

根拠としては、聖矢の持つ情報の質だ。

私は事前に、カヤに以下の指示を与えた。

『新人には、麓冬は全員で八人居ると伝えろ。』

もし新人のどちらかがスパイだった場合。

聖矢はあのBARで、三人とは答えなかった。

しかし、まだ新人が裏切り者の可能性はある。