そう、悶々と考え込んでいた時。

 「まだ総長から何も言われてないし!ね?総長」

という、俺に仲裁を求める声が聞こえてきた。

目を覚ますように顔を上げ、周囲を見回す。

どうやら、話は今だに纏まっていないようだ。

妙に冷静なミヤビ、混乱気味のヤユ。

激憤するヨウに、泣きじゃくるサクラ。

そして、こちらを見つめるユリ。

それらの現状が、心に重荷を落とす。

今、俺は総長としての正解を求められている。

それに気付いた途端、重圧に喉を締められた。


 そうだ。俺は総長で、嶺春のリーダー。

公私混同は許されず、公平を下さなくてはならない。

ユリを信じたい気持ちは山々だ。

それでも、身勝手にユリを擁護してはいけない。

サクラの主張が事実の場合、俺は___

ユリを、害と見做さなくてはならない。

 「まずミヤビ、先を急ぎすぎだ。らしくない。ヨウもそれ以上暴れるなら、それ相応の処罰を受けると思え」

それらしい言葉で、一先ず場を落ち着かせる。

その後、状況整理のため質問を始めた。