黒百合の女帝

おまけ 100ページ到達記念


 「ねえ黒服さん。今の可愛い子誰?」

グラスを傾けながら、黒服に声を掛ける。

客は電話対応の為、この場には居なかった。

質問を投げ掛けられた彼は、さあと首を傾げる。

 「男性と居られましたし、お客さんじゃ?」

 「そう?パッと見未成年かと思ったんだけど」

 「俺は20以上に見えましたけど……」

まあ確かにね、と同意し、グラスを置く。

身長は高かったし、顔立ちも大人びていた。

ただ、どことなく幼さを感じたのだが……

いや、未成年だとしたら大問題か。

彼女が去って行った方を一瞥し、溜息をつく。

これ以上の言及は辞めた方がいいかも。

面倒ごとを避ける為、得意の微笑を浮かべる。

 「たぶん勘違いか。すっごい美人さんだったし、別の店の子かもね」

 「そうかもですね」

彼がそう返事をしたところで、客が戻ってくる。

それ以降は接客に徹し、余計なことは考えないようにした。

本当に綺麗な子だったが……

声は絶対に掛けない方がよさそうかな。