黒百合の女帝

 「じゃあ今からはヤナギとカヤって呼ぶからね。」

と最終確認を取れば、二人は軽く首肯。

 「了解。なら僕もユリって呼んでいい?」

 「好きにして良いよ。」

 「いえーい。あ、カヤは幹部の分際だから敬語続行ね」

 「言われなくてもわかってますよ」

眉を顰めるカヤに、軽快に笑うヤナギ。

二人の関係性はどのようなものなのか。

カヤは敬語で接しているが、馴れ親しんだ様子。

同じ組織に属する先輩後輩、とかだろうか。

彼らを横目で見ながら、考察を深める。

まあ、今後吐かせれば良いか。

席を立ち、スマホを弄るハラに声を掛ける。

 「ハラ、帰りにどこか寄ろう。」

 「マジ?ゴ◯チャ飲みたい」

 「待ち時間次第かな。じゃあ私たちはこれで。」

二人の方を振り向き、頭を軽く下げる。

するとヤナギは手を振り、カヤは会釈を返した。

 「じゃあね〜。抗争、楽しみにしてるよ」

 「おっ、ヤナギさんも好戦的!?なら、敵は強く設定しなきゃね」

 「はいはい任せて。じゃあまた今度。」

ハラの背中を押し、無事扉を抜ける。

すれ違うキャストの視線を感じながら、ビルから立ち去った。