「そうですか……それは残念です。どうかお元気で。」

複雑そうな表情を偽り、私を見送るミヤビ。

 「え……!?でもっ!全然迷惑じゃないし、ユリちゃんはまだここに居ていいのに……」

混乱した様に、定まらぬ焦点を動かすヤユ。

 「逃げようって魂胆か?最後の最後まで被害者ズラしやがって。早く出てけ」

私を催促する様に、睨みを利かせるヨウ。

 「……そっか。まあ、そんなもんだよね、うん。……じゃあね、ユリちゃん」

不満そうにしながらも、そう呟くサクラ。


 嗚呼……私は、彼らと時間を共有してきたのか。

彼らの返事を聞き、よくわかった。

それらは、とんだ時間の無駄だったと。

阿呆らしい。ここまで裏切られた気分になるとは。

失望感と屈辱を隠しながら、踵を返す。

ユウヒの方を一瞥してみるが、俯いていて表情は見えない。

本当に、呆れた。

本来は無言のままの退室を考えていたが……

一言くらい、宣戦布告でもしておくか。

 「……またね。」

次会う時は……嶺春も解散になっているだろう。