「ちょっと...あなたは誰?どこから来たの!?」
私は男の人の問いには答えずに、自分が聞きたいことを聞いた。
そもそもここは2階だ。壁をよじ登れるとは思えない。
それになんだろう...ただの男の人ではなさそうな、怪しくて、人間ではないような...そんな気がした。
「これ...昼間はありがとう...で僕と契約しない?」
こちらの質問には答えずに、男の人も、自分が話したいことを話している様子だ。
それに「これ」と言いながら、手にしているのは、見覚えのある赤い宝石の首輪。
まさか、と思った。昼間川で溺れていた猫?
「あなた、猫なの...?川で溺れていた猫なの?それに契約って...」
こんな魔法みたいなことがあるのか?頭が混乱した。
「あ、うん。猫なんだけど、猫じゃない。あれは仮の姿で、僕は....ヴァンパイアだよ。」
「ヴァンパイア?人の血を吸うあの...?この世にいるわけない...」
「いるよ。ヴァンパイアは。普段は人間の姿だから誰も気づかないけどね。僕らは人の血を吸わないと生きていけない。でも簡単には誰も血を吸わせてくれないんだ。だから...」
ヴァンパイアは窓から離れて、こちらに歩み寄ってくる。ぎらりと光る赤い目に思わず吸い込まれそうになる。
「君の願いを叶えるからさ、その代わりに君の血をちょうだい。それが契約。」
「願い...?」
「そう。君話してたでしょ。悠真先輩だっけ?その人に話しかけたいって。それってさ、よく人間が話してる「恋」ってやつ?」
心がどきりとした。
確かに、悠真先輩に話しかけたい。付き合いたい。
契約は怖かったが、その話に正直そそられた...
「叶えてくれるの?」
「いいよ。僕は、人の生死に関わらない願いならなんでも叶えられる。でもその代わり、その血を僕が欲しいときにくれなきゃダメだよ。...どうする?」
怪しくヴァンパイアが微笑む。まるで、私が「YES」と答えることを見透かしているようだ。
その姿は正直ヴァンパイアと言うより悪魔に見えた。
「わかった...契約するよ。」
「そう。わかった。じゃあ、血吸わせて。」
「ちょっと...!いきなり何す..」
抵抗しようとしたが、できなかった。ヴァンパイアの力が強いと言うよりも、多分何かの呪術なのだと思う。
逃げることはできなかった。これが、契約...
「じゃあ、もらうね」
カプリと、首筋から肩にかけての絶妙な部分を噛みつかれた。
「いっ...た?」
最初ちくりとした痛みが走ったかと思えば、それはすぐになくなり、ふわふわとした不思議な感覚に襲われた。
よく漫画で、ヴァンパイアに血を吸われるのは快感と言うのを目にするけれど、それは本当だった。
どちらかというと気持ちが良い。それよりも男の人に密着されたことがないゆえか、体は熱くなりドキドキしてしまっていた。
「ん..あ...。もう、やめ..て」
必死に声を振り絞る。
「...何これ。甘い。アカリちゃん、今まで飲んだ中で一番うまいかも。」
私の首筋から、口を離したと思うと、ヴァンパイアは何やら考え込むように呟いた。
「...うん。気に入った。」
こちらを見ながら涼しげに微笑みかける。
「どうして私の名前、知ってるの?」
「川であったときに、ストラップ見た。」
ヴァンパイアはぶっきらぼうにそう言いながら、私のカバンを指す。
ああ、さっちゃんと撮ったプリクラを貼ったストラップか。
「じゃあ、また来るね。血欲しくなったらすぐ頂戴。」
そう言い残して、ヴァンパイアは窓から飛び降りようとする。
「ま、待って...!名前は?」
「...シオン。また明日ね。」
シオンが飛び降りた時に、私は窓の外へ駆け寄った。
私が見た時にはもう誰もいなかった。
それにしても、一夜にしてこんな、おとぎ話みたいなことが起きる...?
首筋が熱くて、その日はよく眠れなかった。
私は男の人の問いには答えずに、自分が聞きたいことを聞いた。
そもそもここは2階だ。壁をよじ登れるとは思えない。
それになんだろう...ただの男の人ではなさそうな、怪しくて、人間ではないような...そんな気がした。
「これ...昼間はありがとう...で僕と契約しない?」
こちらの質問には答えずに、男の人も、自分が話したいことを話している様子だ。
それに「これ」と言いながら、手にしているのは、見覚えのある赤い宝石の首輪。
まさか、と思った。昼間川で溺れていた猫?
「あなた、猫なの...?川で溺れていた猫なの?それに契約って...」
こんな魔法みたいなことがあるのか?頭が混乱した。
「あ、うん。猫なんだけど、猫じゃない。あれは仮の姿で、僕は....ヴァンパイアだよ。」
「ヴァンパイア?人の血を吸うあの...?この世にいるわけない...」
「いるよ。ヴァンパイアは。普段は人間の姿だから誰も気づかないけどね。僕らは人の血を吸わないと生きていけない。でも簡単には誰も血を吸わせてくれないんだ。だから...」
ヴァンパイアは窓から離れて、こちらに歩み寄ってくる。ぎらりと光る赤い目に思わず吸い込まれそうになる。
「君の願いを叶えるからさ、その代わりに君の血をちょうだい。それが契約。」
「願い...?」
「そう。君話してたでしょ。悠真先輩だっけ?その人に話しかけたいって。それってさ、よく人間が話してる「恋」ってやつ?」
心がどきりとした。
確かに、悠真先輩に話しかけたい。付き合いたい。
契約は怖かったが、その話に正直そそられた...
「叶えてくれるの?」
「いいよ。僕は、人の生死に関わらない願いならなんでも叶えられる。でもその代わり、その血を僕が欲しいときにくれなきゃダメだよ。...どうする?」
怪しくヴァンパイアが微笑む。まるで、私が「YES」と答えることを見透かしているようだ。
その姿は正直ヴァンパイアと言うより悪魔に見えた。
「わかった...契約するよ。」
「そう。わかった。じゃあ、血吸わせて。」
「ちょっと...!いきなり何す..」
抵抗しようとしたが、できなかった。ヴァンパイアの力が強いと言うよりも、多分何かの呪術なのだと思う。
逃げることはできなかった。これが、契約...
「じゃあ、もらうね」
カプリと、首筋から肩にかけての絶妙な部分を噛みつかれた。
「いっ...た?」
最初ちくりとした痛みが走ったかと思えば、それはすぐになくなり、ふわふわとした不思議な感覚に襲われた。
よく漫画で、ヴァンパイアに血を吸われるのは快感と言うのを目にするけれど、それは本当だった。
どちらかというと気持ちが良い。それよりも男の人に密着されたことがないゆえか、体は熱くなりドキドキしてしまっていた。
「ん..あ...。もう、やめ..て」
必死に声を振り絞る。
「...何これ。甘い。アカリちゃん、今まで飲んだ中で一番うまいかも。」
私の首筋から、口を離したと思うと、ヴァンパイアは何やら考え込むように呟いた。
「...うん。気に入った。」
こちらを見ながら涼しげに微笑みかける。
「どうして私の名前、知ってるの?」
「川であったときに、ストラップ見た。」
ヴァンパイアはぶっきらぼうにそう言いながら、私のカバンを指す。
ああ、さっちゃんと撮ったプリクラを貼ったストラップか。
「じゃあ、また来るね。血欲しくなったらすぐ頂戴。」
そう言い残して、ヴァンパイアは窓から飛び降りようとする。
「ま、待って...!名前は?」
「...シオン。また明日ね。」
シオンが飛び降りた時に、私は窓の外へ駆け寄った。
私が見た時にはもう誰もいなかった。
それにしても、一夜にしてこんな、おとぎ話みたいなことが起きる...?
首筋が熱くて、その日はよく眠れなかった。



