「……頭ポンポンはセクハラですよ」
「えっ」
 その時の彼の顔が忘れられない。
 カフェのおしゃれな灯りに照らされたその顔は、暖かな光に反して宇宙空間に放り出されたように呆然としていた。
 しまった。またやってしまった。空気読めなかった。きっと怒った。
 私は焦りまくった。これだから私はつまらない女なんだ。
 そう思ったのに。
 それなのに、何故今彼とこんな関係になっているのか、全くわからない。