「指輪素敵ね」
就業後のロッカーで
ふいに声をかけられた。
珍しく定時で帰れる。
仕事中は外している指輪を
薬指に滑らせると
今日も1日終わったなぁって気持ちになる。
そんな時に
2つ上の先輩が丁度声をかけてきたのだ。
「お疲れ様です。」
「彼氏?」
結婚指輪以外は禁止だから
薬指と見れば
当然の質問か。
彼氏と聞かれ答えに困った。
曖昧に笑って着替えを済ませる。
彼氏⋯
銀丈くんがクリスマスにくれた指輪を
私は、まだ外せずにいる。
3度のクリスマスが過ぎ
いい加減、前に進まなきゃとも
思うけど
忘れられないのだから仕方ない。
あんなに好きで
あんなに悲しくて
あんなに苦しくて
あんなに幸せだったんだもん。
もう少し
あと少しだけ⋯って
前に進むことを
先延ばしにしながら
今日まで来ちゃって
我ながら
一目惚れの執念に呆れる。
他愛ない話をしながら先輩と通用口を出て別れると
通りの車でライトが光った。
就業後のロッカーで
ふいに声をかけられた。
珍しく定時で帰れる。
仕事中は外している指輪を
薬指に滑らせると
今日も1日終わったなぁって気持ちになる。
そんな時に
2つ上の先輩が丁度声をかけてきたのだ。
「お疲れ様です。」
「彼氏?」
結婚指輪以外は禁止だから
薬指と見れば
当然の質問か。
彼氏と聞かれ答えに困った。
曖昧に笑って着替えを済ませる。
彼氏⋯
銀丈くんがクリスマスにくれた指輪を
私は、まだ外せずにいる。
3度のクリスマスが過ぎ
いい加減、前に進まなきゃとも
思うけど
忘れられないのだから仕方ない。
あんなに好きで
あんなに悲しくて
あんなに苦しくて
あんなに幸せだったんだもん。
もう少し
あと少しだけ⋯って
前に進むことを
先延ばしにしながら
今日まで来ちゃって
我ながら
一目惚れの執念に呆れる。
他愛ない話をしながら先輩と通用口を出て別れると
通りの車でライトが光った。
