恋の囚人番号251107都合いい女

銀丈くんのいない3度目の春が来た。

相変わらず
銀丈くんと過ごした日々を思い出すと
胸が苦しくなったし

銀丈くんの夢を見て目を覚ます日もある。

全然忘れられなくて
前に進めてない気がする。

こんなに私って女々しいのかって
情けなくなることもあるけど
時間だけは過ぎていった。

実習に来ている総合病院では
忙しい日々が私の手足を動かしていた。

実習日誌を提出しようと
受付に寄ったとき

見た顔にドキリとした。


銀丈くんによく似た長身の男の人。

目が合って
互いに動きが止まった。

「お義兄さん⋯」