学校が自由登校になり
いよいよ卒業式を待つだけになった。
銀丈くんの思い詰めた深夜の電話から
一度も連絡がないまま
のろのろと時間が過ぎていく。
寝ても覚めても
想うのは
銀丈くんの事ばっかで
長い 長い待ちぼうけの中
不安に負けないように
立ってるのが精一杯だった。
休みを謳歌するわけもなく
私は、1日のほとんどを自分の部屋で過ごしていた。
そんな日を,何度も何度も繰り返すだけの日々。
ピンコン♪
銀丈くんのいない日常を繰り返していた
ある昼下がりのLINE
反射的に飛びついて期待する。
意外な人だった。
「え?」
美味しいチャイの香りが鼻孔をくすぐったか思うのと同時に
美しい日本人形の顔が浮かんだ。
初めて開くLINE。
椿さん⋯?
(お店に来ない?)
ネイルサロンを4店舗もやっているのだと
あの日、聞いてはいたけど
急に施術してくれるなんて
なんだろう?卒業式用?
貼り付けられたURLを頼りに
指定された時間に向かった。
女の子の夢と憧れが詰まったような
テンション爆上がりのお店に入ると
夜会巻きが良く似合う女の人が
ニコニコと対応してくれた。
「宮崎です」
名前を告げると
「あっ⋯!こちらです」
と、1番奥の部屋に案内してくれた。
どのブースも仕切りを隔てて
ネイリストとお客さんで埋まっている。
私だけ個室?
ドアを開けると
椿さんがさらに大きくなったお腹で
立っていた。
あれ?
ネイルサロンなのに
この部屋には何もない。
事務所?
はち切れそうなお腹は
幸せの象徴そのものなのに
椿さんの顔は憂いを帯びていた。
「せりちゃん。久しぶりね。」
凛とした声は変わらないけれど
違和感を感じて
不安が増幅していく。
「わざわざ来てもらってごめんね。」
コートも脱がずに佇む椿さんを見て
ネイルする気なんて端からないってことがわかった。
「誰にも知られず行かなきゃならないから」
大きなお腹で車のキーを握りしめていた。
みぞおちが痛む。
急に喉が渇いて
ゴクンと鳴った。
「銀が刺されたの。重体よ」
いよいよ卒業式を待つだけになった。
銀丈くんの思い詰めた深夜の電話から
一度も連絡がないまま
のろのろと時間が過ぎていく。
寝ても覚めても
想うのは
銀丈くんの事ばっかで
長い 長い待ちぼうけの中
不安に負けないように
立ってるのが精一杯だった。
休みを謳歌するわけもなく
私は、1日のほとんどを自分の部屋で過ごしていた。
そんな日を,何度も何度も繰り返すだけの日々。
ピンコン♪
銀丈くんのいない日常を繰り返していた
ある昼下がりのLINE
反射的に飛びついて期待する。
意外な人だった。
「え?」
美味しいチャイの香りが鼻孔をくすぐったか思うのと同時に
美しい日本人形の顔が浮かんだ。
初めて開くLINE。
椿さん⋯?
(お店に来ない?)
ネイルサロンを4店舗もやっているのだと
あの日、聞いてはいたけど
急に施術してくれるなんて
なんだろう?卒業式用?
貼り付けられたURLを頼りに
指定された時間に向かった。
女の子の夢と憧れが詰まったような
テンション爆上がりのお店に入ると
夜会巻きが良く似合う女の人が
ニコニコと対応してくれた。
「宮崎です」
名前を告げると
「あっ⋯!こちらです」
と、1番奥の部屋に案内してくれた。
どのブースも仕切りを隔てて
ネイリストとお客さんで埋まっている。
私だけ個室?
ドアを開けると
椿さんがさらに大きくなったお腹で
立っていた。
あれ?
ネイルサロンなのに
この部屋には何もない。
事務所?
はち切れそうなお腹は
幸せの象徴そのものなのに
椿さんの顔は憂いを帯びていた。
「せりちゃん。久しぶりね。」
凛とした声は変わらないけれど
違和感を感じて
不安が増幅していく。
「わざわざ来てもらってごめんね。」
コートも脱がずに佇む椿さんを見て
ネイルする気なんて端からないってことがわかった。
「誰にも知られず行かなきゃならないから」
大きなお腹で車のキーを握りしめていた。
みぞおちが痛む。
急に喉が渇いて
ゴクンと鳴った。
「銀が刺されたの。重体よ」
