恋の囚人番号251107都合いい女

思うより先に体が動く。


ジンくんっ!!!

竜巻のような土煙が上がり
崩れた壁や
割れたガラス
を飛び越えて中に入った。

突っ込んだダンプは
奥の壁に衝突して尚
エンジンをふかしつづけていた。

運転席に駆け寄り
血を流し
焦点の定まらない運転手を引きずり下ろす。

ギアをバックに入れ車体を後ろに下げ
フロントに回ると


頭が潰れ
壊れた人形のような形になったジンくんが
ただの肉の塊になって崩れ落ちた。


3階にある兄貴の事務所から
巣を突かれた蜂のように
怒号を上げて組員が飛び出してきたけど



俺には、もう

何も聞こえなかった。


自分の肺が膨らむ音と
血液が逆流するような鼓動だけが
体内を伝う。


ジンくん…。

なんだよ、それ。